ローカルカンファレンス1

Cookie規制、ゼロパーティデータなど顧客データの取り扱いを考え直すワードが散見されるようになりました。顧客体験向上のため、顧客データをどう活用していくのか?これはアパレル業界だけでなく様々な業界における大きな課題です。EC/店舗運営者向けに開催されたイベント「Real Store Conference(リアルストアカンファレンス)」にて、アパレルECなどの支援実績が豊富なアクティブ合同会社 藤原尚也氏と、ゼロパーティデータ活用を支援する株式会社ビーアイシーピー・データ 渡邉桂子氏に本テーマについて対談頂きました。

 

~プロフィール~

藤原 尚也

【藤原 尚也(ふじわら なおや)】アクティブ合同会社 CEO。

1996年4月カルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)に入社。TSUTAYA店舗運営、ツタヤオンライン事業、DBマーケティング事業の立上げを経て、外資系化粧品メーカーのデジタルマーケティング責任者として、事業拡大に貢献。その後、独立し、デジタルマーケティングコンサルタント事業の『アクティブ合同会社』を設立。同時に、サイト改善及びUXやUI提案の株式会社 UNCOVER TRUTHのCCO (Chief Content Officer)に就任し、各企業にデジタルマーケティング導入支援、マーケティング人材育成を行っている。

 

渡邉 桂子

【渡邉 桂子(わたなべ けいこ)】株式会社ビーアイシーピー・データ 代表取締役。

2004年アイティメディア株式会社に入社。広告営業としてサイト分析ツールなどを活用。株式会社電通レイザーフィッシュ(現電通アイソバー)、サイズミック・テクノロジーズ株式会社、楽天株式会社において第三者配信、位置情報、クロスデバイスなど最先端テクノロジーを活用したソリューションの導入支援や商品開発、海外ソリューションのローカライズ、パートナーアライアンスなどを担当。2018年12月、株式会社ビーアイシーピー・データ代表取締役に就任。

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コロナ禍でのファッション業界の変化は?

まずバズワード化してしまっている「DX」について、誰のため?という投げかけからセッションはスタート。藤原さんは「顧客体験向上」と「社内資産活用」にあると説きます。この両方が必要であると。

 

そういった中で、アパレル業界もDXが注目されています。長期化する新型コロナの影響を受けてアパレルも変化が求められています。藤原さんが支援する紳士服メーカーでも仕事着としてスーツを着る機会が減っているなど影響が大きいそうです。確かにリモートワークが増えていたり、ビジネスカジュアルが浸透したこともあり、仕事着の概念が変化した方も多いのではないでしょうか?


とはいえ、通勤時間帯の電車に乗ればスーツ姿のサラリーマンも多いのも現状です。このような状況下で、藤原さん、渡邉さんは、新たにモノを買うキッカケを作るために、顧客ごとの新たな体験価値をつくる必要があると言います。そのために欠かせない顧客理解のため、顧客データの活用に関する取り組みについて、お話し頂きました。

 

顧客理解に必要なデータとは?ゼロパーティデータについて

藤原さん

藤原さんは、DECAX(Discover購買・Engage関係・Check確認・Action購買・Expert/Ence体験と共有)という消費行動モデルをよく活用されているそうです。しかし、これからは顧客ごとのライフスタイルや価値観(上図の一番左部分)など、より踏み込んだデータ(=ゼロパーティデータ)が必要で、それに応じた提案をしていかないといけないと言います。

ゼロパーティーデータ

それに対し、渡邉さんも流行り言葉になりつつある「ゼロパーティデータ」という言葉だけの先行に警鐘を鳴らしながらも、顧客との関わりの一連の流れを継続的に捉えるためのデータ活用が肝であるとおっしゃられます。

 

続けて、藤原さんは顧客理解に必要なデータをCDP/DMPを絡めて概念として図示されました。多くの企業でツールやシステムが重複したり、データ整理ができていないケースが聞かれるそうです。渡邉さんも”とっ散らかる”企業さんが多いのは、部門最適が進んでしまった結果、その先にいるお客様の「顧客体験」という一本筋が通らなくなってしまうことが多いのではないかとのこと。

 

活用できるデータの位置づけ

活用データ位置づけ

顧客に纏わるデータについては、Cookie(3rdパーティクッキー、個人『関連』情報に該当)の取り扱いが個人情報保護の観点からも注目されています。Cookie問題と個人情報保護法対応をごっちゃにしているケースが多いということも指摘しつつ、マーケティングに活用されるデータの種類について、渡邉さんに簡単に解説してもらいました。

 

・サードパーティデータ(3rd Party Data)は、

データプロパイダとなる第三者によって作成されたもの。データボリュームは多いが、観測による類推データとなるため、自社が保有するファーストパーティデータと比べるとデータの信憑性が低くなります。サードパーティーCookieの廃止の流れもあり、今後の活用が難しくなるデータ。

 

・セカンドパーティデータ(2nd Party Data)は、

GAFAにあたるようなプラットフォーマーやパートナー企業から直接受け取るデータ。サードパーティデータが活用出来なくなるため、その代わりとして活用されるデータになるケースも増える。

 

・ファーストパーティデータ(1st Party Data)は、

自社が意図して収集したデータ。購買データなどがそれに当たりますが、さらにゼロパーティデータとは「顧客が意図的に企業に提供しているデータ」であると定義されているそうです。顧客が継続的にブランドと繋がっていたいと思って渡されたデータであり、顧客理解をするためには精度の高い情報。

 

例えば、カタチが似ているワンピースでも、「洗濯しやすい」を好む人や「環境に優しい素材を使っている」ことにこだわりを持っている人など、顧客の価値観によって企業からの提案にバリエーションを出せることがゼロパーティデータを活用する意義、という渡邉さんのお話が大きなヒントになりそうです。

 

顧客とのつながり方の変化 ファネル型からパイプ型へ

渡邉さん

そうした環境もあって、顧客とブランドが直接つながるD2Cブランドもアパレルのみならず台頭してきています。日本人口の減少やコロナ禍などの環境変化もあり、顧客の価値観も多様化する中、企業と顧客が繋がり方も進化させる必要があります。マーケティングを担う皆さまは、様々なコミュニケーション施策を検討するとは思いますが、単なるABテストではなく、1人1人の顧客にどのように語り掛けるのか?直接的に顧客と深く繋がるためのコミュニケーションが求められているのではないでしょうか。

 

従来のファネル型のマスマーケティングに近いアプローチではなく、狭いけれども1人1人の顧客と直接深く繋がるパイプ型のアプローチが必要になるというお話も考えさせられるものがありました。

 

多様化する顧客のライフスタイルや価値観に合わせた商品サービスの提供をもって、パイプを太くしていくことが重要になりそうだと、藤原さんもおっしゃっていました。そうした顧客に「どういう語りかけをするか」というクリエイティビティも欠かせません。

顧客とのつながり方

セッションのまとめとして、顧客と継続的な繋がりを持つためにDXを通じて何が出来るのかを、経営層とも議論し合えるチーム作り(社外も含めて)に取り組むべきと締めくくられていました。

 

視聴者からも多くの質問があり、藤原さん、渡邉さんには真摯に回答いただきました。短い時間の中ではありましたが、貴重なお話をお二人からいただけました。藤原さん、渡邉さん、ありがとうございました!!