店舗に関する基本情報を管理・発信することができるGoogleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)には、商品・サービスを利用したユーザーがクチコミを書き込むことができる機能があります。

このクチコミ機能では、文章以外にも写真や動画に加えて5段階の評価(星マーク☆で表記)を書き込むことができます。

サービスを利用した人が残したクチコミは、これから利用する可能性がある見込み客の方が、Google検索を通してその目に止まることがあります。

商品の購入やサービスについてGoogle検索を利用するユーザーは、クチコミを判断基準とすることが最近では非常に多くなっています。

このクチコミの内容が良いものであれば、利用者が増えることも期待できますが、反対に悪いクチコミがあると利用者が減ってしまうかもしれません。

このような時に悪いクチコミは削除したいものですが、削除できるクチコミと削除できないクチコミがあります。

そこで本記事では、Googleビジネスプロフィールで削除できるクチコミと削除できないクチコミと、書き込まれたクチコミの投稿者の特定やネガティブなクチコミへの対応について解説していきます。

Googleビジネスプロフィールで削除できるクチコミ

削除できるクチコミには次のようなものがあります。

  • 違法なクチコミ
  • 誹謗中傷・不適切なクチコミ
  • 虚偽・スパムを含むクチコミ
  • 関連性のないクチコミ
  • 性的な内容を含むクチコミ
  • なりすまし・利害に関係するクチコミ
  • 制限されているコンテンツ

それぞれについて説明していきます。

なお、詳細はGoogleの公式も参照ください。

参照:https://support.google.com/contributionpolicy/answer/7400114 

違法なクチコミ

違法薬物や性的虐待、著作権・肖像権を侵害するような違法行為にあたるクチコミは、Googleビジネスプロフィールのガイドラインにて削除の対象とされています。

クチコミのテキストだけでなく、ユーザーが投稿する写真・画像の中に違法なコンテンツが含まれている場合も削除対象となります。

クチコミを見たユーザーが誤解してしまう可能性も十分にありますので、違法なクチコミを見かけたらすぐGoogleに報告をしましょう。

誹謗中傷・不適切なクチコミ

近年ニュースでもよく見かけるようになりましたが、「誹謗中傷」となるような書き込みもGoogleビジネスプロフィールのガイドライン上では削除の対象となっています。

クチコミの程度によっては、警察に被害届を出して然るべき対応もできる場合があります。

特定の人物や企業、グループなどに対する差別を含む言説や誹謗中傷、特に人種・性別・宗教に関わるセンシティブな内容は不適切なクチコミと捉えられ、年々厳しくなっている印象を受けます。

小さな誹謗中傷を発端として、店舗のイメージダウンがニュースにまで発展するケースも考えられます。

誹謗中傷はすぐに削除するようにしましょう。

虚偽・スパムを含むクチコミ

明らかな虚偽を含むクチコミは削除対象です。

競合にあたる店舗・企業側の関係者などから、営業妨害を目的として嘘を書き込まれてしまうことも少なくありません。

しかしGoogleビジネスプロフィールを見たユーザーによって書き込まれたクチコミが、事実であるかどうかを判断するのは難しいです。

それから、同じ内容を何度も書き込むスパム行為にあたるクチコミは削除対象です。

クチコミを書き込む側も規制を逃れるために、複数のデバイスを用いて連続した投稿をする行為が見られます。悪質なものであれば、Google側がすぐに対応してクチコミを削除してもらえることが多いです。

関連性のないクチコミ

ユーザーから書き込まれるクチコミの中には関連性のないものが見られる時もあります。

店舗の商品やサービスなどと全く関係がない政治やプロスポーツの試合に関係するクチコミや、ユーザーの個人的な日記のような書き込みなどは削除対象となります。

例えば、ラーメンを提供する店舗のクチコミの中に「刺身から異臭がした」など、明らかに無関係なクチコミが書き込まれることもあります(そのお店ではラーメンを提供しており、刺身のメニューはないため)。

このような時は、クチコミの返信の中で誤解の旨を説明するか、Google側に削除依頼を行いましょう。

性的な内容を含むクチコミ

性的なコンテンツを含むクチコミは、Googleビジネスプロフィールのガイドラインで禁止されています。

特にGoogleビジネスプロフィールでは、画像だけでなく動画もクチコミとして投稿できるので、テキスト以外にも注意を払う必要があります。

性的なクチコミがあまりにも悪質な場合や、競合などの嫌がらせの可能性が考えられる場合は、店舗の営業妨害・信用毀損になりうるので警察へ相談する事も検討しましょう。

なりすまし・利害に関係するクチコミ

先ほども取り上げた虚偽のクチコミと重複する部分はありますが、競合他社から虚偽のクチコミを書かれてしまう場合は「なりすまし」、または利害に関係するクチコミとなり、削除の対象となります。

ここで注意が必要なのは、「なりすまし」は他社だけでなく自社の人間が書き込んだクチコミも含まれることです。

アルバイトやパートのスタッフに自店舗の評価を上げるクチコミを依頼し、それが内部から告発されてしまった場合、ニュースなどに取り上げられ信用を失ってしまうかもしれません。

チェーン店などを経営している企業やグループ会社など、マネジメント範囲が広い企業は利害関係者による「なりすまし」行為をしやすいので、徹底して「なりすまし」行為を防ぎましょう。

制限されているコンテンツ

酒類・賭け事(ギャンブル)・医薬品(規制対象となるもの)・アダルトコンテンツのような、法的問題や公序良俗に反する恐れのあるもの、ユーザーの健康を損なう可能性のある商品やサービスなどに関わるクチコミは、Googleビジネスプロフィール上で禁止されています。

クチコミを投稿する側も悪意はなく、親切心で書き込むことがありますが、ユーザーに不利益を与える可能性があるものとして、Googleビジネスプロフィールを通報されてしまう場合もあります。該当する可能性があるクチコミを見つけ次第すぐに削除申請を出しましょう。

削除できないクチコミ

中には削除できないクチコミもあります。

  • ユーザーの主観を含むクチコミ
  • 評価の星が1つ/コメントのないクチコミ

それぞれについて説明していきます。

ユーザーの主観を含むクチコミ

削除の対象になりにくいクチコミとして、ユーザーの主観を含むクチコミがあります。

商品の購入やサービスを受けた際の「店員の態度の良し悪し」や、料理の提供やサービスを受ける待ち時間が「遅い」などは、ユーザーの主観が関わってきます。

これらの主観を含んだクチコミが、事実であるかどうかを確かめることは極めて難しいです。

主観とされるクチコミが削除されるケースとして考えられるのは、防犯カメラの映像などで、クチコミ内容が虚偽であると証明される場合でしょう。

また、客観的に証明できないけれども虚偽であるクチコミがなされてしまった場合は、丁寧な返信などで対応し、クチコミを見る他のユーザーに真摯な態度を伝えることが大事です。店舗として安心感・信頼感を構築していくことが望ましいと言えます。

評価の星が1つ/コメントのないクチコミ

削除対象とならないコメントには、評価の星1つでコメントがないものがあります。

ユーザーがつけた店舗の商品・サービスの評価が1番低い星1つであるにも関わらず、その理由やコメントが分からないので、Googleに削除申請をしたとしても削除してもらえません。

コメントがない星評価1のクチコミに対しては、次のような返信をすることで、誠意ある対応をしていることを他のユーザーへも伝えることができます。

「この度は満足のいくサービスのご提供に至らず誠に申し訳ありませんでした。もしよろしければ、今後の改善のために、不満に感じられた点をお聞かせいただけませんでしょうか。」

ぜひ参考にしてみてください。

クチコミの投稿者の特定

心当たりのない評価の星1つでコメントのないクチコミや、虚偽やスパムといった迷惑なクチコミに対して開示請求をすることで「クチコミがどの端末・デバイスで書き込まれたのか」を特定することができます。

近年、法律の改正も進み「発信者情報開示仮処分」の手続きも、約2ヶ月程度で行うことができるようになりました。

損害賠償請求をすることを目的として、裁判所に申立てを行うことで投稿者に関するIPアドレスの情報を取得することができます。

このIPアドレスをもとにプロバイダに対して「発信者情報開示仮処分」の手続きを行うことで、投稿者の住所・指名を特定することができます。

ネガティブなクチコミへの対応

ネガティブなクチコミも書き込まれますが、Googleに削除依頼をしたとしても、それが承認されないこともあります。

このままではネガティブなクチコミが残ったままになってしまい、ユーザーの目に触れてしまいますよね。

ネガティブなクチコミに対し、次の2つのポイントを頭に入れて返信するとよいでしょう。

  • お詫びをする
  • 問題の指摘に感謝の意を伝える

それぞれについて説明していきます。

お詫びをする

削除したいクチコミに対しては、店舗側も感情的になっていることが多いでしょう。

このクチコミに対して、感情的に返信してしまうとさらに加熱してしまい大きなトラブルを招いてしまうリスクがあります。

ここは、書き込みをしたユーザーの心情を考えながら、来店に対する感謝の意とクチコミの内容に対する謝罪を行うべきでしょう。

クチコミの内容の中には店舗側に落ち度がない場合もあるかもしれませんが、ユーザー(お客様側)が不満・不快な思いになったことは事実なので、相手の気持ちを理解文章で伝えることで誠意は伝わるでしょう。

問題の指摘に感謝の意を伝える

お客様のクチコミの内容が店舗やサービスに関する問題点であった場合は、問題点の指摘自体に感謝の意を伝えましょう。

指摘をもらった問題点の中に、自店舗が今後良くなるためのヒントが隠されているかもしれません。

実際に問題点が改善されれば、問題点を指摘したユーザーの方もあなたのお店のファンになってくれるかもしれません。

クレームに近いクチコミに対しても、一度冷静になって丁寧に対応することも大切です。

まとめ

本記事では、Googleビジネスプロフィールで削除できるクチコミと削除できないクチコミ・書き込まれたクチコミの投稿者の特定・ネガティブなクチコミへの対応について解説してきました。

Googleビジネスプロフィールを運用する中で、クチコミの対応に困っている方の参考になり、効果的なWEBマーケティング施策に貢献できれば幸いです。