MEO対策とは?

MEOとは、「地図エンジン最適化(Map Engine Optimization)」の英語表記のイニシャルをとったものをいいます。

MEO対策とは「Gooleマップで店舗名やサービス名を地図検索をする際に、自分の店舗情報を上位に表示させる」ことを目的にした施策のことです。

エリア名の検索ワードを対策するので、正式にはMEOを「ローカルSEO」と呼びます。(MEO対策は日本の造語になります)

これまでは、何かを探すときはGoogle検索やYahoo検索で近くの店舗やサービスを探したりしていましたが、最近はGoogle Map上の検索窓から「新宿 ラーメン」や「渋谷 美容室」というキーワードで検索をして店舗を探す人が増えています。

MEO対策の効果は、Googleマップのサービス内だけではなく、Google検索にまで影響を与えます。MEO対策をすることで、Google マップに登録されている店舗やサービスに関する情報はGoolge検索でも表示されるようになります。

Google マップ上に登録されている店舗・サービスに関する情報が検索順位で3番以内に入るとGoogle検索した時に、表示される地図の下に3店舗が表示されます。これを「ローカルパック」といいます。

SEO対策とは?

SEO対策とは、Search Engine Optimization の略で〝検索エンジン最適化〟であり、自社サイト(ホームページ、店舗ページなど)を検索エンジンで上位表示させるために行う施策というニュアンスで使われる言葉です。

情報を探す人は、知りたい事柄に関するキーワードをGoogleやYahooのような検索サービスの検索窓に入れて、検索された結果の上位からクリックする傾向にあります。

SEO対策によって、自社のホームページ、店舗ページが検索結果の中で上位に表示させ、予約数、注文数を増やすことができます。

SEO対策についてより詳細に知りたいという方は、当社の別記事「【最新版】正しいSEOとは?5つのSEO対策とチェックリスト」をご確認ください。

MEO対策とSEO対策の違い

ここからが本題になります。

改めて、MEO対策とSEO対策について、端的にそれぞれの目的をまとめると以下のようになります。

  • MEO対策:Gooleマップで店舗名やサービス名をマップ検索する際に検索上位に表示させる
  • SEO対策:検索サイトで自社のHPや関連サイトを検索結果の上位に表示させる

ここでは、MEO対策とSEO対策の違いを9つのポイントから見ていきます。

 

MEO対策

SEO対策

取り組み難易度

検索するユーザー層

目的を持った近くにいる個人

目的の異なる不特定多数

検索結果が表示される位置

検索結果のすぐ下

検索で出た地図の下

対象ツール

Googleビジネスプロフィール(ローカルビジネスの情報を表示・管理できる無料ツール)

WEBサイト・ブログなどのコンテンツ管理システム(CMS)

対策方法(一例)

・Googleビジネスプロフィールの情報を可能な限り記入

・事業に関係する最新の内容や関連情報をある程度の頻度で更新

・Googleビジネスプロフィールの口コミの増加
・Googleビジネスプロフィールの悪い口コミへのフォロー

・SNS上でシェア(引用)の増加

・検索ニーズに合わせたコンテンツ作成

・URLのわかりやすく整備

・WEBサイトの全体の構造の最適化

・WEBサイト表示速度の改善

・WEBサイトのスマートフォンへの対応

・外部リンクの獲得(関連性のあるものや価値の高いサイトなど)

対策範囲

・特定の地域に特化した対策
・店舗がある地域名で検索をするユーザーに対して集客

・特定の地域など関係しない対策
・地域名が検索をするとMEO対策とSEO対策の両方の検索結果が表示

競合となる事業者の数

地域にある同業の事業者

全国にある同業の事業者

対策の効果が出る期間

2週間〜約2ヶ月

約3ヶ月~約1年

対策費用

約2万~約5万円/月(外注先によって異なります)

約5万円~約100万円/月(外注先によって異なります)

1. 取り組み難易度

ここで考える取り組みの難易度はそれぞれで発信する情報コンテンツの作成や作成したコンテンツを発信するためのルーティン作業など総合的に包含します。

先に結論から述べますと「MEOの方がSEOよりも取り組みやすい」です。

SEO対策は、キーワードの選定や発信するコンテンツの作成内容が多岐に渡るので必然的に専門性が上がります。専門性が上がることで、担当者のスキルもしくは新しく人材を探す場合の要件を考える必要があります。

一方のMEO対策は最初の登録さえできてしまえばSEO対策に比べて簡単です。日々発信する情報コンテンツは、日常業務に関連する事柄に合わせることで今までのスタッフでも対応することが可能です。日頃からinstagramやtwitter、tictokなどのSNSに触れていると十分、無理なく持続的に取り組んでいけます。

2. 検索するユーザー層

MEO対策とSEO対策の一番大きな違いは、「検索するユーザー層」です。

MEO対策のターゲットとなるユーザーが行う検索では、Googleマップのアルゴリズムが関係するので現在の位置情報と検索した場所とコンテンツに関わるGoogleビジネスプロフィールの充実度が重要になってきます。

MEO対策では、その地域にしかないお店に限られるので、「横浜 中華 おすすめ」と無数にある店舗の中でも、Googleビジネスプロフィールが充実することでMEO上位に表示することが可能です。

ここで重要な考え方は「検索するユーザーは検索する地域の近くにいて、目的に合った店舗に行きたいと思っている」ことです。

反対に、SEO対策のターゲットとなるユーザーが行う検索では、位置情報が関連する場合よりも「詳細な情報へのアクセス」や「テレビでやっていたのでなんとなく検索した」というように目的が異なるので、施策を考える中で悩んだときは、この違いをスタート地点にしても良いかもしれません。

MEO対策

目的を持った近くにいる個人

SEO対策

目的の異なる不特定多数

3. 検索結果が表示される位置

上図のように、「地域名 + サービス名」でGoogle検索をするとSEO上位のコンテンツの下に地図があり、その地図の下にMEO上位コンテンツ(ローカルパック)が表示されます。キーワードによっては、広告コンテンツ(リスティング広告)の下にMEO上位コンテンツ、その後にSEOコンテンツと並ぶ場合もあります。

上図で青い枠で囲まれた地図の下には、Googleビジネスプロフィールに登録された情報を確認することができます(店舗に対する口コミなどもここで簡単に見ることができます)。

MEO対策に関わる重要な箇所なので、他社がどのような内容を発信しているのかを見てみるのも良いでしょう。

4. 対象媒体

SEO対策とMEO対策で施策を行う対象ツールが異なります。

具体的には、以下のようになります。

MEO対策

Googleビジネスプロフィール(ローカルビジネスの情報を表示・管理できる無料ツール)

SEO対策

WEBサイト・ブログなどのコンテンツ

5. 対策方法

SEO対策もMEO対策も、「内部対策」と「外部対策」の両方が必要な点は共通していますが、詳細は対策手段は異なります。

SEO対策とMEO対策の方法の違いを簡潔にまとめました。

MEO対策

■内部対策

・Googleビジネスプロフィールの情報を可能な限り詳細に記入

・様々な種類の写真(店舗内外観・スタッフ写真・メニューなど)をアップする

・最新のサービス内容や関連情報を定期的に更新(できれば写真付で)

・キャンペーン情報や営業時間/定休日などを最新情報に保つ

・自社サイト、他社メディア、GoogleビジネスプロフィールのNAP情報(Name・ Address・ Phone)を統一する

■外部対策

・Googleビジネスプロフィール上の口コミを集める
・Googleビジネスプロフィールの悪い口コミへのフォロー

※悪い口コミが多く集まるとブランディング毀損になる恐れがあるので注意

・他社のメディアやSNS上で言及される(サイテーション獲得)

SEO対策

■内部対策

・検索ニーズに合わせたコンテンツ作成

・URLをわかりやすいものする

・WEBサイトの全体の構造の最適化

・WEBサイト表示速度の改善

・WEBサイトのスマートフォンへの対応

■外部対策

・外部リンクの獲得(関連性のあるサイトや、ドメインランクの高いサイトからのリンクが有効)

・SNS上で言及される(サイテーション獲得)

6. 対策範囲

SEO対策とMEO対策の範囲の違いを簡潔にまとめます。

MEO対策

・特定の地域に特化した対策
・店舗がある地域名で検索をするユーザーに対して集客

SEO対策

・特定の地域などに関係なく対策

7. 競合となる事業者の数

MEO対策

地域にある同業の事業者が競合

SEO対策

全国にある同業の事業者が競合

MEO対策は地域に限ったマーケティング施策なので、SEO対策に比べて競合となる事業者は少なくなります(同地域の中だけの競合)。

SEOにおいては、地域ワード以外にも対策すべきキーワードも多く、そのため競合になる事業者も多くなります。

例えば、EC事業やオンライン(web)サービスなどの事業は、地域に関係なくキーワード対策し集客しなければならないので、(SEO対策というフィールド上で捉えると)日本全国の同業が競合になり得ます。

8. 対策の効果が出る期間

MEO・SEOの両方とも、対策を始めてからその効果が出るまでにある一定の期間が必要ですが、効果が出るまでの時間軸の長さが異なります。

着手して3ヶ月以上はかかるSEO対策に比べて、MEO対策は早ければ開始から2週間目で効果が出る場合があるという特徴があります。

MEO対策

2週間から約2ヶ月

SEO対策

約3ヶ月~約1年

もちろん対策エリアや業態によって競合の数やレベルは変わりますが、総じて「SEO対策よりもMEO対策の方が早く成果が出る」と考えておくと良いでしょう。

9. 対策費用

費用の違いについて端的にいうと、「MEO対策の方がコストが安く、比べてSEO対策の方がコストが高い」です。

この要因は、MEO対策よりもSEO対策の方が対応すべき内容が広いためです。

例えば、SEO対策の場合、WEBサイトの内部構造の最適化やスマートフォンへの表示対応、コンテンツの作成など時間がかかるものが多くあります。

一方のMEO対策は、Googleビジネスプロフィールを中心にした施策が中心なので、SEO対策に比べて工数はかかりません。

Googleビジネスプロフィールの管理画面は複雑ではないので、WEBの専門知識がない担当者でも対応しやすいことが考えられます。

目安として、MEO対策は1ヶ月あたり約2万~約5万円であり、SEO対策は1ヶ月あたり約5万円~約100万円であることが多いですが、対応する事業者や施策内容によって費用は変わってきます。

  • 費用と施策内容が合っているか
  • 不当に費用が高く設定されていないか

など、SEO対策とMEO対策をある程度理解した上で価格の妥当性を検討していきましょう。

MEO対策

約2万~約5万円/月

SEO対策

約5万円~約100万円/月

※外注先によって異なります

MEO対策とSEO対策を検討する上で考えるべきこと

MEO対策およびSEO対策をする上で、上記で整理した9つの違いを踏まえた上で、施策の実行について以下の2点を考える必要があります。

  1. 自社のビジネス領域
  2. 自社内の担当者のスキルとリソース

それぞれについて説明していきます。

1.自社のビジネス領域

結論、エリア集客がメインの事業者は「MEOとSEOのどちらも対策するべき」でしょう。

  • 飲食点
  • 不動産
  • スポーツジム
  • 美容室
  • エステ

など実際に店舗を構えてtoC向け事業を行っている方は、SEOとMEOの両方対策することで、「通常のGoogle検索の表示枠」と「Googleマップの表示枠」の両方から集客導線を得ることができます。

例えば、「高田馬場 ラーメン」というキーワードで検索された時に、WEBサイトもGoogle検索上で上位に表示され、さらにGoogleマップ上でも上位に表示されれば、よりユーザーの目に触れる回数が増え、認知や来店数の増加につながるでしょう。

一方、BtoBで事業展開をしている企業、EC事業・完全オンラインサービスを提供している事業者などは、エリアに関係しないのでMEO対策をしてもあまり効果がないです。

その場合はSEO対策の方に予算や人員を割く方が事業成長につながるでしょう。

2.自社内の担当者のスキルとリソース

次に、担当者について検討する必要があります。

前述の通り、MEO対策よりもSEO対策の方が専門性と対応工数が多く、なおかつ成果が出るまである程度の期間が必要になります。

それゆえ、自社内に担当者がいない場合はWEBマーケティング会社に外注したり、新しくWEBマーケティング担当者を採用するなどの選択をすることが重要になってきます。

MEO対策の場合は、プライベートでSNS触っている習慣があれば対応できる可能性が高いので、自社内で1日15分から30分程度の時間に余裕のある従業員をMEO対策担当者にすることも良いでしょう。

MEO対策についても、自社内にリソースがない場合は外注も視野に入れても良いでしょう(外注費もSEO対策事業者よりは相対的に安く済む可能性が高いです)。

【改めて整理】MEO対策とSEO対策のメリット・デメリット

SEO対策のメリット

  • 検索経由でサイトに訪問するので、見込みユーザーに効率的にアプローチできる
  • 上位表示できれば安定的な集客につながる
  • 無料集客経路となり広告費が削減できるので、中長期的に見ると収支が合いやすい
  • エリアに関係なく集客が可能で幅広い流入が見込める

SEO対策のデメリット

  • MEO対策よりも工数がかかり専門性も高い
  • 対策のために外注するとややコストがかかる
  • 人気のキーワードは競合が多く上位表示が難しい
  • アルゴリズムのアップデートで順位が一気に変動することがある

MEO対策のメリット

  • 来店見込みの高いユーザーに効率的にアプローチできる
  • 3位以内に入れば「ローカルパック」として、通常のGoogle検索内にも露出することが可能
  • SEO対策よりも難易度が低く、社内でも取り組みやすい
  • 外注時にSEO対策よりもコストが安い

MEO対策のデメリット

  • 口コミ集めがやや大変
  • ネガティブな口コミが集まるとブランディング毀損になる恐れがある
  • 最新情報の更新などを継続する必要がある
  • エリアに関係しないビジネスには効果を発揮できない

まとめ

本記事では、MEO対策とSEO対策の違いやメリット・デメリットについて解説してきました。

自社の事業とSEO対策およびMEO対策の違いを理解することで、より効果的なWEBマーケティング施策を検討することが可能になります。

この記事を通して、SEO対策についてより深く理解したい方はこちらの記事もご参照いただけますと幸いです。

【2022年最新】正しいSEOとは?5つのSEO対策とチェックリスト