「ラフィネ」「ナチュラルボディ」「フットデザイン」「リフレ」など、全国に530店舗のリラクゼーションスペースを展開する、株式会社ボディワーク。長年、外部の予約サイトを通じて集客を行ってきた同社は、Googleビジネスプロフィール(以下、GBP)を通じて独自の集客戦略へ舵を切るという大きな意思決定を下した。

そんな同社は、ローカルSEOツール「ローカルミエルカ」を導入した。結果、Web予約率の大幅な向上や口コミ獲得数の増加といった目覚ましい成果を上げている。プロジェクトを通じての成長や社内で起きた変化について、人材開発部 WEBソリューション課の照井氏と山本氏に話しを伺った。

数々の課題を解決するため、予約サイトからの脱却を決断

株式会社ボディワークは、長年「ラフィネ」などの店舗において大手予約サイトでの集客を実施しており、大手予約サイト経由の予約は全体の約20%を占めていたという。集客力の高さは認めつつも、予約サイトの活用には多くの課題が存在したと、Webソリューション部門の責任者を務める照井氏は語る。その課題とは、掲載料の高さと予約管理、そして集客の3点だ

「予約サイトへの掲載では、手数料が重くのしかかります。また自社予約サイトもあり、複数の予約サイトからの予約を、一元管理できるシステムを導入する必要がありました。また、予約サイトでは新規のお客様獲得を主な目的としていましたが、実際には初回クーポンだけを利用されるお客様も多く 、結果として当社店舗のリピーターにはつながりにくいという問題もありました」(照井氏)。

この状況に対して、ボディワークはその予約サイトの利用を停止するという大きな決断を下した。集客の大きな柱を失う同社が、新たな集客手法として白羽の矢を立てたのが、GBPの活用、すなわちローカルSEOの強化だった

同社はGBPアカウントをすでに持っており、運用代行サービスなどを利用したこともあったという。しかし、あまり活用が進んでおらず、GBPの運用効果を最大化させる上で新たなパートナーやツールを模索していた。その中で「ローカルミエルカ」を選んだ理由として、照井氏はツールの「操作性」を挙げた

「何社か類似サービスを比較検討するなかで、『ローカルミエルカ』はデザイン性が高く、直感的な使いやすさに好感を覚えました。ツールを使用するのは全国展開する店舗のセラピストたちであり、彼ら/彼女らが専門知識を持たずとも操作できることは、非常に重要なポイントでした」(照井氏)。

また、Faber Companyが持つ「専門性」への期待も大きかったと山本氏は話す。

「Faber Companyさんには、SEOやWebマーケティングの専門知識が豊富なエキスパートが多く在籍しているという点は、非常に心強い要素の一つでした。GBPだけでなく包括的なサポートが得られるという期待もありました」(山本氏)。

本部と店舗が二人三脚。キーワード戦略と口コミ・情報発信の徹底でGBPをフル活用

2022年11月に「ローカルミエルカ」を導入、ボディワークは本部側と店舗側で役割を分けて、取り組みを始めた。本部側で取り組んだ大きな施策が、情報整理と流入キーワード最適化だ。情報整理では、各ブランドおよび店舗の紹介文の見直し、サービスや商品の登録などを実施。流入キーワード最適化では、Faber Companyと連携してブランドごとに最適なキーワードの選定から行った。

「『ラフィネ』であれば「マッサージ」、『ナチュラルボディ』では「整体」「ストレッチ」といったキーワードを選定しました。また、足裏ケアに特化した「フットデザイン」では、「足裏 角質 除去」といったニッチながらも、集客効果の期待できるキーワードを提案しました」(Faber Company橋本)。

「Faber Companyさんは、私たちが提供するお客様情報や検索ボリュームなどを参照して、最適なキーワードを選別・提案してくれました。提案されたキーワードはGBPに活用するだけでなく、Web予約サイトのタイトルやディスクリプションにも活用しています。すると、改修した翌月から検索経由の予約数が伸びるといった効果を得られました」(照井氏)。

一方、店舗側の施策としては顧客との直接的なコミュニケーションとなる口コミ対応と、鮮度の高い情報発信を徹底させたという。情報発信を促進するため、本部から推奨マニュアルを配布。月8回以上の最新情報投稿などを目標に、各店舗が主体的に取り組める環境を整備。また、口コミ返信は本部からの定期的なお願いにより、現在は口コミ返信率95%を達成している。

※キャプション: クチコミ獲得数の推移(2025年2月~2025年5月) 徐々にクチコミ獲得数が増えている

「以前は口コミに対する返信が十分にできていなかったため、返信テンプレートを用意して必ずコメントを返すようにお願いをしました。月に2回、各店舗の返信状況を店舗に共有し、返信を促しました」(山本氏)。

予約サイトに依存しない予約体制を確立。口コミ増加がセラピストの収入アップにも貢献

「ローカルミエルカ」導入後、ボディワークでは着実に成果が現れ始めた。まず、大手予約サイトに依存しない集客体制を構築することに成功

従来の来店予約の内訳は、大手予約サイト経由が約23%、自社のWeb予約も同水準の数値であり、合計約50%がWeb全体での予約の比率だった。ローカルSEOの目標は、自社のWeb予約のみでこの割合を達成することにあったという。

「大手予約サイト解約後、Web予約の割合は45%程度まで下がりました。しかし『ローカルミエルカ』の導入から半年後、着実にWeb予約の件数は増えていき、2024年9月にはWeb予約の割合が全体の56.2%となり過去最高を記録したのです。もちろん、ここで得た予約はすべて自社サイトのみで達成しました」(照井氏)。

ローカルSEOはWeb新規予約の増加にもつながっており、GBP経由でのWeb予約の3年平均成長率は54%を記録。2023年から2024年にかけて、Web予約の件数は約1.2倍に増加した。さらに、自社のWeb予約サイトでの対応に注力できるようになり、管理の煩雑さが解消されたほか、掲載料=ランニングコストの大幅削減にもつながっている。

ボディワークは全社総会にて、店舗の改善活動を発表するコンテストを毎回開催している。2025年度のコンテストでは、ローカルSEOに熱心に取り組み、多くの口コミを獲得、積極的に口コミ返信に取り組んだ店舗が準グランプリに選ばれた

この店舗は2024年9月時点で15件だった口コミを、半年後の2025年2月で128件にまで増加させることに成功。さらに口コミ増加は、店舗で働くセラピストにとっても良い影響を与えているという。

「ボディワークは完全出来高制の働き方を採用しており 、お客様への施術時間によって収入が変動します。この店舗は口コミを増やしたことでお客様が増え、結果として1人あたりの収入が増加しました」(照井氏)。

口コミを通じて店舗の魅力が伝わり、予約数が増えたことで従業員の収入アップにつながる。こうした好循環が生まれる背景からか、2022年9月時点で約6,500件だったグループ全体の累計口コミ数は、2025年4月には12,800件以上に倍増した

「口コミを増やすことはいいことという共通認識はありますが、それが働く皆様にどう影響するのかまでは見えない部分があります。今回のように、ダイレクトに収入が増えるというお話を聞けて、私も非常に嬉しい気持ちになりました」(橋本)

集客の成功体験を「採用」へ。GBP活用で求人広告依存からの脱却とミスマッチ解消を目指す

ローカルSEO施策で大きな成果を上げているボディワークだが、今後はGBPを活用した「採用集客」にも注力していきたいと考えている。その背景には、大手予約サイトから脱却したときと同じ課題があった。セラピストの採用は、求人サイトなどを活用することが一般的だが、掲載料の負担は少なくない。そこで同社が考えたのが、GBPを活用して直接セラピストの応募者を獲得するという戦略だ。

「数年前であれば、転職者向けの口コミサイトなどを通じて、希望先の職場の情報を調べることが一般的でした。しかし、最近では多くの人々が、インターネットを通じて“リアルに近い声”を探すようになりました。実際、当社でもGoogleマップから自宅に近い店舗を探して、そこの口コミを見てから応募するか決めるという流れが増えています。ならば、その行動に寄り添うことで求職者を集めようと考えたのです」(照井氏)

良い口コミが集まっている店舗は、働きがいのある職場としても魅力的に映る。加えて、口コミを通じて店舗のコンセプトや雰囲気を理解した上で応募するため、面接時や採用後のミスマッチも起きにくく、定着率向上も期待できる。求職者と企業の双方にとって、より幸福なマッチングを生み出す体制を構築する。ボディワークでは、この「ビジョン」の実現に向けて取り組みを開始している。

最後に、今後の活動に対して「ローカルミエルカ」やFaber Companyに期待していることを二人に伺った。

「Googleのアルゴリズムが頻繁に変わる昨今、最新情報にいち早くキャッチアップして、競合他社よりも一歩早く対策していきたいと考えています。エキスパートが多く在籍するFaber Companyさんの対応力には、今後も期待しています」(山本氏)

素早く情報をキャッチして解決へ導く。そのスピード感に私も期待しています」(照井氏)。

「専門知識とノウハウが豊富な弊社だからこそ、より早く・より深くGoogleの変化を察知して提案していくことを大切にしていきたいと思います。現在は『ローカルミエルカ』だけのサポートにとどまっていますが、それ以外の分野も広く支援していけるよう、頑張ってまいります!」(橋本)。