「Googleビジネスプロフィール」という言葉を聞いたことがありますか?

Googleビジネスプロフィールとは、Google検索やGoogleマップなどにビジネスやお店などの情報を表示し、管理するための無料のツールです。「渋谷 カフェ」「赤坂 美容室」など、居住地や現在地などによって変わる「特定の地域にフォーカスした検索結果」(=ローカル検索)に上位表示するには、Googleビジネスプロフィールを運用する必要があります。

スマートフォンの普及に伴い、ユーザーの検索行動は大きく変化してきました。その代表的な例が、Google検索やマップ検索によるお店探しです。これまで多くの店舗事業者が取り組んできたSEO施策やリスティング広告(PPC広告)だけでなく、ローカル検索で上位表示させること(=ローカルSEO・MEO施策)が重要になってきています。

しかし、GoogleビジネスプロフィールやローカルSEOについての一般論は多くWeb上にありますが、体系的かつ網羅的にまとめられているものは多くありません。この記事では専門家監修の下、Googleビジネスプロフィールなどの基本的な概念を網羅的に抑えつつ、1ブランドで1000店舗を超える大型チェーン店のデジタル集客をサポートしてきた経験から、概念や施策の進め方などを解説しています。GoogleビジネスプロフィールやローカルSEOの運用を行われている(これから行おうと思っている)全ての方へ、ぜひ目を通していただきたい記事です。

監修いただいた専門家: 伊藤 亜津佐氏(Googleビジネスプロフィール ダイヤモンドプロダクトエキスパート)iSchool合同会社 代表社員、Faber Company顧問(Local Search Advocate) Googleビジネスプロフィール ダイヤモンドプロダクトエキスパート

大学卒業後、株式会社キーエンスに入社し、センサーのBtoB営業を経験する。その後、逗子市役所で観光客の誘致や花火大会の企画といった観光行政に携わる。2015年にウェブの世界に入り、SEO・ローカル検索のコンサルタントとして、中小企業のWeb集客のサポートをしている。現在、SEO会社、Web制作会社のアドバイザリーも兼務。著書に『いちばんやさしいGoogleマイビジネス+ローカルSEOの教本 人気講師が教えるスマホ地図からの新・店舗集客術』(インプレス)

前提➀: Googleビジネスプロフィールとは?

「ローカルビジネスの情報」を優先的に編集できるGoogleの無料ツール Google社は、Googleビジネスプロフィール(Googleビジネスプロフィール)を次のように説明しています。

Google ビジネス プロフィールでは、マップや検索などの Google サービスでローカル ビジネスをどのように表示するかを管理できます。実店舗に顧客を迎え入れてサービスを提供するビジネスや、エリア限定でサービスを提供するビジネスを営んでいる方は、ビジネス プロフィールを活用すればユーザーにビジネスをアピールすることができます。Google でのオーナー確認を済ませているビジネスは、ユーザーからの信頼度が倍増する傾向があります

(引用:https://support.google.com/business/answer/6300665?hl=ja

例えば、Google検索やGoogleマップ上で「下北沢周辺のケーキ屋さん」を検索するとしましょう。実際に「下北沢 ケーキ」と検索すると、スマートフォンとパソコンでは次のように表示されます。

 

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このように、地域のお店や施設に関連する検索が行われた際、店舗情報や電話番号、経路案内やWebサイトの情報が表示される検索を「ローカル検索」と呼びます。

ローカル検索の情報のうち、1店舗をクリック(タップ)してみましょう。すると、次のように店舗の紹介や営業時間、所在地、電話番号、混み具合などさまざまな情報が表示されます

(店舗情報の表示例)

店舗の情報は、店舗オーナー自身が追加することも可能ですし、Googleがインターネット上から収集した情報や、一般ユーザーが投稿した情報(店舗の営業時間、評価、クチコミなど)で自動作成されています。(参考:Google がビジネス リスティング情報を入手する方法と、それらの用途)

Googleビジネスプロフィールは、こうしたGoogleやユーザーの動向とは別に、店舗オーナー側で掲載したい情報を優先的に編集できるのです。

前提➁: Googleビジネスプロフィールにはどんなメリットが?

Googleビジネスプロフィールを用いることで、期待できる効果は大きく3つ挙げられます。

(1)検索結果上で見つけやすい(=視認性が高い)

スマートフォン・パソコンともに、Google検索ではGoogleビジネスプロフィールによる情報が、他の記事・コンテンツより上位表示されます。地図情報も合わせて表示されるので、非常に視認性が高く、ユーザーに店舗を認知させることが可能です。

(2)利用ユーザーが多く、新規ユーザーの獲得可能性が高い

2020年5月、視聴行動分析サービスを提供するニールセン デジタル株式会社が、地図・旅行情報カテゴリーのメディア利用状況のレポートを発表しています。その結果、Googleマップ利用者数は4,700万人以上で、2位のNAVIGATEの4倍以上の数字を記録しました。

いかにGoogleマップが、一般消費者に利用されているかが分かりますね。Googleビジネスプロフィールで、地図上に表示される情報を拡充することは、そのまま新規ユーザー獲得の可能性を高めることでもあるのです。(参考:https://www.netratings.co.jp/news_release/2020/07/Newsrelease20200721.html

(3)公式サイトよりもすばやく情報を閲覧できる

近年、ネット検索では「ゼロクリックサーチ」という概念が注目されています。これは、検索結果で表示されるページ内容を記述したスニペットやページに関する説明を見てただけで完結し、個別のWebサイトまでアクセスしないユーザー行動を指します。 結果として、ユーザーは公式サイトやコンテンツをクリックして訪問する必要がなく、検索結果のみで、問題が解決するケースもあります。ローカル検索においても、この現象が確認されています。

ゼロクリックサーチの便利な点は、「あのお店に行きたい」という突発的なニーズにも対応しやすいという点です。店名を検索すれば、検索結果のファーストビューに電話番号、住所、営業中かが分かります。もしこうした情報がなければ、店舗の公式サイトに移動しなくてはいけません。

Googleビジネスプロフィールは、こうしたユーザーの「ひと手間」を減らす役割を担っています。

前提➂: 店舗事業者が、Googleビジネスプロフィールを使うべき理由とは?

「Googleやネットユーザーからの投稿で情報が網羅されるなら、わざわざ店舗オーナーがGoogleビジネスプロフィールを使う必要はないんじゃないか」

こうした声を耳にすることがあります。しかし、店舗オーナーがGoogleビジネスプロフィールを使うべき理由は、非常に多いと言えます。

(1)ユーザーに「正しい情報」を伝えられる

Googleマップを利用するユーザーは、月間4,700万ユーザーに上ります。モバイルデバイスによる検索のシェアでも、Googleは79%と圧倒的なシェアを誇るほどです。(※Google等の公式情報でなく、多くのデータを集計しているStatcounterを参考)

しかし、Googleによる店舗情報の自動生成やユーザーの投稿によって作られた店舗情報は、必ずしも正しいとは限りません。せっかくお店に良質なクチコミが集まっても、お店にたどり着けず不満が集まってしまうことも

・お店の住所が間違っている
・お店が入っているビルの名称が分からない
・経路案内に沿って移動していたら、お店の反対側に出てしまった

こうしたトラブルを未然に防ぐために、お店側から正しい店舗情報を登録することは、非常に重要だと言えるでしょう。

(2)ローカル検索ユーザーの購入意欲を高められる

2014年に行われたGoogleの調査によると、店舗を訪れるユーザーの約50%は、スマートフォンでローカル検索を行った1日以内に来店するそうです。(参考:Infographic: Understanding Consumers’ Local Search Behavior

彼らは、店舗を訪れる前段階で、お店や商品に関心を示し、情報収集し、評価・比較検討などを済ませているのです。

つまり、Googleビジネスプロフィールでの情報の正確さや充実度は、購入行動に大きく影響します。

(3)公式サイト以上に情報を届けやすい

Faber Companyでは、公式サイトとGoogleビジネスプロフィールのアクセス量の調査を実施。それによると、Googleビジネスプロフィールを閲覧するユーザーの方が、小売は約25倍、飲食は約17倍も多かったのです。

※FaberCompany調べ

(4)店舗情報の「書き換え」リスクを減らす

Googleビジネスプロフィールは、ユーザーによる書き換えが可能です。しかし、これが悪用されてしまうケースも存在します。

店名が書き換えられていたり、営業時間が変更されていたり、閉店扱いにされていたり…。2015年には改善したことで業務妨害罪に問われ、書類送検された方も出ています。

ここまでの事態には発展しないものの、皆さんが想像する以上に、オーナーが意図しないGoogleビジネスプロフィールの修正や更新が行われています。店舗情報を正確に管理するためにも、店舗側でGoogleビジネスプロフィールを確認することが重要です。

(5)基本的に無料ですべての機能を利用できる

Googleビジネスプロフィールは、さまざまな機能を用いて店舗の情報発信ができます。しかも、そうした機能をすべて無料で利用可能です。もちろん、これまでに紹介したメリットも、無料で得られます。

※Googleビジネスプロフィールの運用やローカルSEOにお悩みはありませんか?
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基本➀: Googleビジネスプロフィールの基本機能

ここからは、Googleビジネスプロフィールの基本的な使い方を紹介していきたいと思います。Googleビジネスプロフィールでは、オーナーは次のような機能を利用できます。

(1)店舗の「基本情報」

● 店舗名
● ビジネス情報
● 商品やサービスのカテゴリ―
● 住所
● サービスを提供しているエリア
● 営業時間
● 電話番号
● 公式サイト(Webサイトの登録)
● メニュー
● 支払方法、Wi-Fiの有無、電源タップの有無、バリアフリー対応などの情報

このように、店舗の基本情報と言っても登録できる内容は多種多様です。なるべく詳細に店舗情報を紹介することで、ユーザーの来店を促進できる可能性が高まります。

(2)お店の最新情報を知らせる「投稿」

● 最新情報
● 来店時特典のお知らせ
● イベント開催のお知らせ
● 新型コロナウイルスに伴う最新情報

店舗の基本情報以外で、季節や時期に応じて情報提供することもできます。

(3)お店の雰囲気を伝えられる「写真」「動画」

Googleビジネスプロフィールでは、オーナーもユーザーも店舗に関連する写真を投稿できます。外観や店内、商品、店長・スタッフの写真はもちろん、360°写真でパノラマ写真を投稿することも可能です。

動画は最大30秒までの動画が投稿できます。駅から店舗までの道のりや、店内をぐるりと歩いてみた様子を投稿することで、写真よりもリアルに店舗の雰囲気を伝えられます。

(4)質問に答えたりやコミュニケーションできたりする「メッセージ」

Googleビジネスプロフィールでは、ユーザーと1対1でコミュニケーションができるチャット機能があります。ここでは、ユーザーからの質問に直接回答することで、来店やサービスの利用を促すことができます。

また、2022年7月のアップデートで、Googleビジネスプロフィールのメッセージ機能で「よくある質問」を編集できるようになりました。 よくある質問に対しては、あらかじめ登録した回答で自動応答できるようになったので、FAQ(よくある質問とその回答集)のような形で、ユーザーの疑問を解消できるようになっています。(参考:https://www.suzukikenichi.com/blog/google-business-profile-lets-you-auto-respond-faqs/)

基本➁: 「クチコミ」で評価を可視化

Googleビジネスプロフィールでは、ユーザーがクチコミを投稿できます。オーナーはクチコミに対して、2つの機能を使用可能です。

1、クチコミに返信する

寄せられたクチコミに返信することで、ユーザーとオンラインでのコミュニケーションの接点を持てます。いい評価にはお礼を伝え、悪い評価には謝罪や改善案の提示など、適切なコミュニケーションを取りましょう。

2、クチコミに非表示・削除依頼をする

悪質なクチコミに対しては、Googleにスパムとして報告できます。嫌がらせや虚偽の内容を見つけたら、Googleのガイドラインに沿って対処しましょう。 オーナー側で投稿するコンテンツについても、こうしたガイドラインに抵触していないかチェックしてみてください。 しかし、削除依頼をしても、削除されるのはGoogle社のポリシーに違反しているものだけで、消えないケースが多いです。注意してください。(参考: Google ビジネス プロフィールからクチコミを削除する方法)

基本➂: 施策の参考となるデータが得られる「インサイト」

インサイト機能とは、ユーザーがローカル検索から店舗をどのように知り、どのように来店につながる行動をしたのか、分析できる機能です。実際に、次のようなユーザーデータを確認できます。

・検索の種類(店舗名で直接検索、エリアや業種・商品で間接検索、ブランド名での検索)
・お店を見つけた際にユーザーが検索したキーワード
・写真の閲覧数や投稿数(オーナー、ユーザーそれぞれの投稿数をチェックできます)
・アクション(ウェブサイトへのアクセス、ルートのリクエスト、通話したユーザー数)

インサイト機能を参考に、店舗の表示に貢献していないキーワード(下北沢 + ケーキなど)を意識して、情報発信ができるようになります。あるいは、季節需要(2月のバレンタイン、12月の忘年会など)のキーワードで検索されているかをチェックするのにも有効でしょう。

また、写真の登録枚数は競合他社との比較も表示されます(競合他社の設定情報は、Googleが自動で設定しています)。読者不在の写真を投稿しないことを前提として、写真は「ユーザー側の店舗情報理解を深める為」の情報と捉えて、継続的かつ十分に投稿していくことも重要です。(参考: Googleビジネスプロフィール(Googleビジネスプロフィール)の「インサイト機能」とは?

応用➀: よりユーザーフレンドリーに生まれ変わった?最新のGoogleビジネスプロフィール事情を解説

Googleビジネスプロフィールの歴史を紐解くと、2014年以前は「Google+ローカル」、2014年以降は「Googleマイビジネス」という名称でした。今回の名称変更は、通算5回目となります。

2014年は、スマートフォンがより生活に浸透したタイミングであり、「現在地から近くのいいお店に行きたい」というニーズが増えてきたと想定されます。そこで、Googleは同時期に「Googleマイビジネス」へと名称を変え、ユーザーの求める情報へ応えるべく、「ローカルガイドプログラム」を立ち上げたのだと我々は考えております。

ローカルガイドは、Googleマップに情報を投稿するユーザーのコミュニティを指します。Googleは、コミュニティを介してユーザーへ店舗のクチコミや写真、新店舗の場所の追加を促していきました。その結果、検索結果で表示される店舗情報が急増しました。

Google検索とマップ情報は、シームレスにつながっています。そのため、検索結果からストレートに経路案内を利用し、店舗を訪問するというユーザー行動も、同様に増えていったものと考えられます。

2021年には「Googleマイビジネス」から「Googleビジネスプロフィール」へと名称変更。Googleは各店舗の規模に最適化した情報管理ができるようになったとアナウンスしました。具体的には、以下のように変更されました。

  • 店舗情報の編集・申請方法が個店とチェーン店(複数店)で変化
    〇個店:Google検索/マップにて実施
    〇チェーン店:管理画面で実施(Google検索/マップで1店舗ごとの変更も可能)
  • PC版の管理画面はチェーン店(複数店)向けの管理サービスに変化
  • スマホのGoogleマイビジネスアプリの廃止(2022年7月)

※変更についての詳細は下記の記事にまとめています。あわせてご覧ください。
https://local-mieruca.com/blog/about-google-business-profile/

(参考➀: 【機能はどう変る?】Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)のアップデート後の展開について解説)

(参考➁: Google公式発表)

応用➁: Googleビジネスプロフィールを集客に生かすポイント

Googleビジネスプロフィールの集客を成功させるポイントとして、意識したいことが2点あります。

(1)来店前から「信用」を獲得するための情報発信を心がける

突然ですが、皆さんはAとBの歯医者のうち、どちらをより信頼しますか?おそらく、Bのより情報量が多い歯医者に、信頼を置くのではないでしょうか。

従来の顧客と店舗の信頼関係とは、まずは広告や看板で店舗を認知してもらい、来店後のコミュニケーションや商品の購入で、顧客の信頼を獲得してきました。

しかし、現在のユーザーは来店前から、ローカル検索によって店舗の詳細情報を見ることができます。あくまで一例ですが、「表示される情報を読む➡『この歯医者なら大丈夫そうだ』と信用・認知➡来店」というアクションを取ることもあるでしょう。 そのためにも、Googleビジネスプロフィールによる基本情報や投稿機能を活用して、表示される情報の充実度を整えていきましょう。

来店したユーザーの満足度が高く、彼らがクチコミを投稿してくれれば、このサイクルはさらに回りやすくなります。ドイツ発のグローバルローカル検索ソリューション「uberall」の調査では、約95%のユーザーが、クチコミの影響を受けているとの調査結果が出されています。(参考: レピュテーション マネジメントの革命: グローバル ベンチマーク レポート分析された 64,000 の場所 — 4 つの異なる国 — 単一のグローバル ベンチマーク)

さらに、64,000店のGoogleビジネスプロフィールの調査では、クチコミの32%に返信した店舗は、クチコミの10%に返信した店舗よりも、コンバージョン率が約80%高かったそうです。

こうした数字からも、オーナーが投稿するコンテンツを充実させるだけでなく、クチコミを充実させ、コミュニケーション頻度を高めることも、集客には重要と言えます。

(2)総合的な施策で店舗を上位表示させる【ローカルSEO】

ローカルSEOとは、ローカル検索で店舗を上位に表示させるための施策です。Googleは、ローカル検索結果のランキングを決定する要素として、以下の3点を公開しています。(参考:Google のローカル検索結果のランキングを改善する方法)

1:関連性 検索語句がビジネスプロフィールとどの程度マッチしているか

2:距離 検索語句で指定された場所や現在地と、店舗所在地との距離

3:視認性の高さ(知名度) 店舗の認知度

上記3要素のうち、Googleビジネスプロフィールを活用して改善可能な要素は主に「関連性」となるでしょう。

例えば、「2:距離」はユーザーの現在地で検索結果が自動的に変化します。渋谷と札幌でそれぞれ「ラーメン」と検索すれば、違う検索結果が表示されるでしょうし、渋谷や恵比寿など店舗が多いエリアでは、20m違うだけで表示される検索結果が変わります。ユーザーの検索する場所によって検索結果が変わり、コントロールは困難です。

また、知名度については、Web上での検索結果や指名検索の数、SNSでどの程度言及されているかなど、Googleビジネスプロフィール以外の要因も大きく影響します。

ですので、Googleビジネスプロフィール上で、「1:関連性」を高めるには、ビジネスプロフィール上の情報を充実させ、自社がターゲットとするお客様を呼び込むための情報配信を定期的に行っていく事が重要です。例えば、お店の中の宴会座席の写真を提示することで、大人数での宴会が対応可能であることや、重要なお客様との会食の場合に個室などがある事を写真で示していくと良いでしょう。 このように、ユーザーが、店舗や商品の使用シーンを想像できるようなコンテンツを用意するなど、各情報を整備していきましょう。

とはいえ、ローカルSEOに取り組むのであれば、公式サイトやSNS、他のマップ(Yahoo!地図など)への店舗登録など、Googleマップ以外の活動も含め、マルチチャネルでコンテンツ配信し、ユーザーを呼び込む為の活動をしていきましょう。(参考: ローカル検索の仕組みと掲載順位のメカニズム〜上位表示のための施策は?〜)

応用➂: Googleビジネスプロフィールで注意したい落とし穴

ここからは、Googleビジネスプロフィールを使う上で、オーナーが陥りやすい失敗事例について紹介したいと思います。これからGoogleビジネスプロフィールを始める人も、すでに利用している人も、注意してください。

(1)スタッフに丸投げしない

Googleビジネスプロフィールの運用を、スタッフに任せている店舗は少なくありません。しかし、その後スタッフが辞めてしまい、誰もログインアカウントが分からなくなってしまうことが、よくあります。

この場合、別のGoogleアカウントから、Googleへオーナー権限のリスクエスト申請する必要があります。手続きがややこしく時間もかかるため、オーナー権限は必ず店長や店舗オーナーが持つようにしましょう。

(2)新規顧客の急増が起こる…かも?

Googleビジネスプロフィールを活用する目的のひとつに、新規顧客の獲得があると思います。さまざまな検索需要を満たすコンテンツを追加した結果、新規顧客が増えたという事例はたくさんあります。

しかし、それがかえってうまく行き過ぎて、店舗やスタッフのキャパシティをオーバーしてしまった…というケースが、意外と多いのです。ある意味、Googleビジネスプロフィールはこれだけのインパクトを秘めているとも言えます。

(3)悪質な手法に騙されない

Googleビジネスプロフィールを利用していると、さまざまな業者から運用代行やツール販売の勧誘があります。その中でも、悪質な手法には、十分注意しましょう。 ※ビジネス プロフィールのサードパーティ ポリシー(禁止されている手法などについてGoogleが解説しています)

「私たちに任せてくれれば、必ずローカル検索で1位表示させますよ」 基本的にローカル検索は「距離」に応じて表示結果が変化するので、検索結果1位を約束できる類のサービスではありません。 (逆に、店舗が存在する場所で調べたら、当然1位になります)

「このツールを使用すれば、いい評価のクチコミだけを大量に集められます」 Googleは近年、クチコミ対策をかなり強化しています。「3ヶ月でクチコミを100件集めます」と業者が提案してきても、スパム的に集められたクチコミは、ほとんど反映されないかもしれません。特に、新規オープンした店舗のクチコミは、反映されにくい傾向にあるようです。 ※Google公式のヘルプコミュニティにもよく質問が寄せられれています。(参考: Google のクチコミの仕組みについて)

また、いいクチコミだけを集める方法として、独自のアンケートフォームの利用を勧めてくる業者もいます。このアンケートで、ユーザーに店舗への評価をしてもらうと、評価の高いアンケートだけ、Googleビジネスプロフィールに反映されるように設定されていますが、今後どのようなペナルティがあるか未知数ですし、顧客を裏切ることにもつながりますので要注意です。

<その他注意したい文言>
・Google サービスで上位に掲載されることを保証する
・プロフィールが Google 検索や Google マップに必ず表示されると主張する
・料金が発生しない Google サービスを有料サービスであると偽る (引用:Googleのビジネス プロフィールのサードパーティ ポリシーより引用)

Googleビジネスプロフィールの「よくある質問」に専門家が回答!

伊藤氏は、飲食店、美容室、ホテル、カーディーラーと多種多様な業界のオーナーをサポートしてきました。日々のサポートの中で、特によく聞かれる質問と、伊藤氏の回答を紹介したいと思います。

Q1 Googleビジネスプロフィールを運用する目標をどう定めたらいい?

A1 順位だけに注目せず、運用目的を明確にしましょう。

過去にあった質問で、特に多く寄せられたのが検索順位を上げる方法です。先述の通り、ローカル検索は関連性・距離・視認性の高さ(知名度)で順位が決まりますが、Googleビジネスプロフィールが関与するのは主に関連性です。

Googleビジネスプロフィールの運用目的やKPIを「順位を上げる」にしてしまうと、写真をたくさん載せよう、投稿頻度を上げよう…となりがちです。

まずは、Googleビジネスプロフィールの運用目的を明確にしましょう。その上で、お客様からの信用を勝ち取ることやニーズの高い情報を掲載するためには、どんなコンテンツが必要かを考え実行してみてください。

Q2 すべてのクチコミに返信した方がいいですか?

Q2 リソースに応じて決めましょう。

チェーンブランドから多く寄せられる質問です。個店の場合、オーナーやスタッフがきめ細かな対応をすることで、すべてのクチコミに返信することは可能です。

数十店舗以上展開してるチェーンブランドの場合、店舗のオペレーションとは異なり、クチコミへの返信はマニュアル化が非常に難しいです。例えば、店舗に対して本部への苦情が寄せられたとしても、店舗だけで解決することは困難です。社内ルールとして「クチコミには返信しない」と決めている企業もあるほどです。

ちなみに、私はリスク管理の観点から、「もしリソースが確保できるのなら、星1、星2と低評価のクチコミだけは、本部で回答すべき」とアドバイスすることが多いです。

Q3 クチコミへの返信は、検索結果に影響を及ぼしますか?

A3 クチコミへの返信は、検索結果にほぼ影響しません。

クチコミへの返信に、今後獲得したい検索キーワードを盛り込むオーナーがいます(「女子会 赤坂」など)。こうした自演できる部分は、ほとんど検索結果に影響しません。

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Googleビジネスプロフィールを活用したローカルSEO施策に成功した企業【ローカルミエルカ支援事例】

ここからは、Googleビジネスプロフィールを使って実際に売上を伸ばした企業の事例を紹介したいと思います。

「Googleビジネスプロフィールで本当に成功できるのか?」 「他の企業はどのようなことを行っているのだろうか?」

そんなお悩みを抱えている企業様は、ぜひこれらの事例を参考にしてみてください。また、今回紹介する企業は、ミエルカが提供するローカルSEO支援プラットフォームである「ローカルミエルカ」を活用されています。

各社の細かい施策は、それぞれの導入事例コンテンツで紹介しています。ぜひ、そちらもご覧になってみてください。

【大規模チェーン店事例】1年で売上約9,600万円アップ! Googleビジネスプロフィールの登録だけで終わらない、キタムラのローカルSEO戦略とは?

カメラ用品店「カメラのキタムラ」や記念日スタジオ「スタジオマリオ」などを、全国に約1,060店舗(2022年8月末時点)展開するキタムラ様。もともとGoogleビジネスプロフィールの店舗情報の登録だけで終わってしまっていたそうですが、海外製MEOツールからローカルミエルカに乗り換えたことで、さらに高いレベルでローカルSEO施策の推進に成功しました。

◎施策内容

・ローカルミエルカ独自に策定した「(ローカルSEO施策の)ロードマップ」を活用し、ゴールやフローを明確化
・店舗ブログとの連携で情報発信を多面化

◎成果

・Googleビジネスプロフィール経由の電話や経路検索などのアクション数が前年比で約113%増加
・Googleビジネスプロフィールによる売上貢献額は1年で約9,600万円増加
・「マタニティ撮影」など新たなフォト需要に対応できるようになった。様々なニーズで検索結果に露出できるようになったことで、『こんな撮影もできるのか!』と新たなお客様との接点につながっている。

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【地方の小規模店舗】ローカルSEO×SEOで、EC売上4倍&来店増!老舗和菓子店の起死回生のDX施策とは?

山形県で創業134年を迎える和菓子店「木村屋」(17店舗)では、全体売上の2割を占める「お土産」の売上が半減するなど大打撃を受けました、しかし、そこからローカルSEO施策とSEO施策に力を入れたことによって、起死回生の糸クチを掴んだそうです。EC売上4倍、実店舗売上は約10%アップに成功した裏側を解説しています。

◎施策内容

・ローカルSEO×SEOの2つの車輪で、デジタルマーケティングを推進。
・Googleビジネスプロフィール上の最新情報を週3、4回更新。
・お店や商品を魅力的にアピールする施策として、商品写真の追加を実施。取扱い商品の頬すべてを登録
・Googleビジネスプロフィールの店舗情報を整備し、お客様の来店機会損出を防止

◎成果

・Googleビジネスプロフィール経由での店舗への電話数は約3倍に。
・EC売上は1年で約4倍まで成長 ・手厚いサポートによって、社長がゼロからデジタルマーケティングを推進。行き当たりばったりだった今までのやり方とは次元が違うレベルで施策を推進でき、内製化に大きく前進。

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まとめ

ユーザーが情報収集する手段は、GoogleやTwitter、Instagram、YouTubeなど非常に多様化しています。そのなかで、Googleビジネスプロフィールは「検索と連動している」「経路案内がすぐ分かる」「クチコミが見られる」という点で、ますます使用頻度が高まっていくでしょう。

顧客接点の強化の一環として、ぜひGoogleビジネスプロフィールを活用してみてください。

「Googleビジネスプロフィールの活用法が分からない」
「どんな施策から始めればいいか分からない」
「本当に集客できるか不安だ」

こうした心配を抱えているなら、ぜひローカルミエルカを運営するFaber Company(ファベルカンパニー)へご相談してください。累計1,700社のWebマーケティングの支援実績や、ローカルSEOの専門家監修のサポートなどをもとに最適な施策を立案し、皆様の施策の推進を支援いたします。

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